10.サルベージ療法に関する臨床研究

分担研究者: 松下 修三(熊本大学エイズ学研究センター)

研究要旨

強力な抗ウイルス剤の多剤併用療法(highly active anti-retroviral therapy; HAART)の効果が不十分で治療失敗となる要因としてi)薬剤耐性変異ウイルスの出現、ii)抗ウイルス剤のpotency不足、iii)服薬アドヒアランス不良、iv)毒性/不耐用、が考えられるが、サルベージ療法を考えるうえでは、個々の症例についてそれぞれの要因の関与を分析する必要がある。一方、使用可能な薬剤の数が増加し、1st.〜 2nd.サルベージ療法では、交叉耐性のないまたは作用機序の異なる薬剤を選択することが可能となったが、3rd.サルベージ以降となると耐性やアドヒアランスの問題から薬剤の選択が困難となるのが現状である。これらの症例の検討の中から、治療失敗に至る前にそれぞれの症例について治療法の問題点を明らかにし、薬剤の組み合わせを最適化する努力が必要であることがわかった。我々は治療の最適化のための新たな指標としてCD4, 8陽性細胞のターンオーバーとproviral DNAの測定を行い、症例の臨床経過と照らし合わせながら、これらが有効な指標となり得ること示した。また、これらの新しい指標を用いて、より積極的な治療変更・サルベージ(強化)療法の推進を専用のホームページを通じて提言していく予定である。