8.HAART治療中の高乳酸血症に関する研究

分担研究者: 安岡 彰、岡 慎一(国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター)
研究協力者: 矢崎博久、中島由紀子、田沼順子、川田真幹、石崎有澄美、砂川恵伸、源河いくみ、照屋勝治、立川夏夫、菊池 嘉

(国立国際医療研究センターエイズ゙治療研究開発センター)

研究要旨

当センターで経験した核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)による乳酸アシドーシスについて検討した。 症例は8例認められ、男性7名、女性1名で、平均40歳であった。全例にd4T+3TCが投与されていた。治療開始から乳酸高値を認めるまでの日数は232〜945(平均456)日であった。症状はしびれ、消化器症状、全身倦怠感が多くみられ、過半数で肝機能障害を認めた。末梢神経伝導速度を測定した4例では全例に下肢の運動または感覚の伝導速度低下を認めた。血清乳酸値の最高値は3.2〜7.7(平均5.5)mmol/lで、8例中4例はHAART中止後に最高値が確認された。また、HAART中止後に乳酸の正常化が確認されるまでに28〜143(平均92)日を要していた。治療中止により全例回復し、治療の変更により抗HIV療法を継続することができた。抗HIV薬による高乳酸血症は従来の報告より頻度が高く、中止後にも進行がみられることから今後も注意が必要な合併症と考えられた。