| 2.新規抗HIV薬の開発に関する臨床研究 |
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分担研究者:松岡 雅雄(京都大学ウイルス研究所感染免疫研究領域) |
| 研究要旨 |
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我々は、新規逆転写酵素(reverse transcriptase: RT)阻害剤の開発とウイルス複製阻害における新しい分子標的の解析を目的として研究を行っている。昨年度、4'-ethynyl-nucleoside (4'-E-dN)が今まで報告のある主な薬剤耐性HIV(AZT、ddI、ddC、d4T、3TC耐性株)や多剤併用療法(HAART)施行後問題となってきた多剤耐性HIV複製を野生株同様に阻害することを報告した。今年度は4'-E-dNに対してHIVがどのように耐性化するのかを検討した。4'-E-deoxyadenosine (4'-E-dA)存在下で培養を続けたところ、I142V/T165R/M184V変異がRT領域に導入されていた。このうちT165R/M184VはRT活性中心に面して存在し、4'-ethynyl基に対してsteric conflictを起こし、耐性化することが考えられた。 RT以外の標的としてウイルスの細胞融合を阻害するgp41由来ペプチドに関しても解析を行った。今年度解析したgp41由来のぺプチドN36はNおよびC末端側それぞれのhaptad repeat (HR)が結合することを阻害し、結果としてウイルスの細胞進入を阻害すると考えられている。そこでこの仮説を検証するためにN36耐性ウイルスの分離を試みた。N36耐性ウイルスはC末端側のHRを形成するアミノ酸に変異が導入されていた。C末端側のHRの誘導体であるT-20はN末端側のHRに変異を有することが既に報告されている。これらの実験結果は現在提唱されているgp41を介した細胞融合機構を強く裏付ける結果となった。また、耐性ウイルスで置換されたアミノ酸はHRにおいて重要な役割を果たしていることが予想され、これらアミノ酸を標的として小分子化合物の開発に役立つと考えられる。 これら2つの研究成果からウイルス生理学的機能を薬剤耐性という観点から解析することで今後の薬剤開発標的の決定に重要な情報を供したと考えられた。 |